第一章 企業と会社
1 企業の種類と形態 1
2 株式会社とその仕組み 3
3 株式の相互持合いと持ち株制度の違い 7
4 日本企業の業種と業界 9
5 日本における大企業と中小企業の区分 11
6 日本の産業と企業の歴史:財閥と企業グループ 13
コラム1 スズキ自動車と富士重工業の株式相互持合い 15
専門用語解釈 16
練習問題 22
附 企业与公司 23
第二章 人事労務管理
1 人事労務管理の仕組み 32
2 日本の労働組合 36
3 終身雇用のメリットとディメリット 39
4 年功序列のメリットとディメリット 41
5 日本企業の転勤とジョブローテーション 44
6 OJTとOFF-JTの違い 46
7 日本企業の給与体系 48
8 日本企業の福利厚生 52
コラム2 本田の人材戦略 56
専門用語解釈 58
練習問題 63
附 人事管理、劳务管理 64
第三章 経営組織
1 企業組織の基本タイプ 72
2 大企業の組織の特徴 75
3 管理組織と各部門の役割 78
4 稟議制の仕組み 80
5 トップダウンとボトムアップ 82
6 日本企業のチームワーク 85
7 系列と下請け 88
コラム3 上を目指すか、現場に戻るか 90
専門用語解釈 94
練習問題 101
附 经营组织 102
第四章 生産管理
1 生産管理の基本的なパターン 110
2 生産管理の3本柱 113
3 在庫ゼロは理想か 116
4 大量生産方式とセル生産方式との違い 119
5 カンバン方式 122
6 日本的品質管理の特徴 125
7 TQCからTQMへ 127
8 5Sで強化された日本的生産 129
コラム4 トヨタ生産方式の本質 131
専門用語解釈 134
練習問題 141
附 生产管理 142
第五章 マーケティング
1 マーケティングの役割 152
2 戦略的セグメンテーション 156
3 マーケティング・ミックス 159
4 マーケティング・リサーチ 162
5 ブランド戦略の内容 164
6 日本企業のマーケティング戦略 166
7 日本の流通機構の特徴 170
8 日本企業のマーケティング活動の歩み 173
コラム5 マーケティングの4Pから考えるジュンク堂のO2O 175
専門用語解釈 178
練習問題 181
附 市场营销 182
第六章 経営戦略
1 経営戦略について 198
2 経営資源 200
3 全社戦略の策定 204
4 事業戦略の策定 205
5 三つの基本戦略 211
6 日本企業の経営戦略の特徴 214
コラム6 アサヒビール株式会社の製品戦略 218
専門用語解釈 220
練習問題 225
附 经营战略 226
第七章 国際経営
1 直接投資と間接投資 240
2 多国籍企業とは 242
3 多国籍企業の経営資源と経営形態 249
4 国際マーケティング 250
5 国際経営と現地化(Localization) 254
6 グローバル・サプライチェーン・マネジメント(GSCM) 256
7 トランスファー・プライシング(移転価格操作) 258
コラム7 キヤノンのグローバル化 259
専門用語解釈 261
練習問題 269
附 国际经营 270
第八章 経営理念と企業文化
1 会社の所有 277
2 経営理念 280
3 企業文化の形成要因 283
4 企業の社会的責任(CSR) 285
5 日本の企業文化:「家」の文化 287
6 日本的CSR:近江商人の経営理念 290
7 代表的な日本企業の経営理念 292
コラム8 ユニクロの企業理念 294
専門用語解釈 296
練習問題 299
附 经营理念和企业文化 300
编者简介 314
はじめに
長年、多くの大学の日本語学部では対日経済貿易(商務、ビジネス含む)専攻の講義内容やテキストの構成がもっぱら商談、貿易業務関連の専門用語の習得に仕向けるように組み立てられてきた。しかし、学んだ学生にとっては、通訳の即効性はあるものの、さらに突っ込んだ話し合いやビジネスのトータルソリューション提案などは到底難しいのが現状である。現代の貿易の3分の2以上は国境を越えた産業内貿易、つまり部品間の取引を中心としている。世界的な商品のサプライチェーン・バリューチェーンの構成や流れ、また取引先の組織形態、価格決定メカニズムを理解できず、或いは業界の動きがわからないままでは、適切な仲介や商談を進めにくい。卒業後、現代ビジネスの世界に飛び込んでいく学生にとっては、経営学基礎、企業活動の論理、さらに日本企業の特殊性などを総合的に学んでおくことが一層重要になってきた。
一方、一般的に経済学部、経営管理学部のテキストは英文か、中国訳の欧米流の経営理論が中心となる。日本語の習得を第一課題とする学生にとって、これらの理論は難解ばかりか、必ずしも中国の実態や対日ビジネスに役立つとは限らない。このようなジレンマを解消するため、われわれは日本語学習者向けに経済・経営に関する専門知識を教えるためのテキストの編纂に取り組んできた。執筆においては、経営学基礎のみならず、日本企業の形態、経営特徴など対日ビジネス実践に役立てるような構成を心掛けてきた。
本テキストは全部で8章構成である。各章ではまず、学習目標・問題提起を明示し、それの答えに沿った形で、基本的な理論紹介と日本企業の事例を交えてわかりやすく解説していくようにしている。なお、企業形態と人事労務論を先に配置しているのは、実際に日本企業に就職後にまず直面する組織や人事制度・待遇問題を先に扱ったほうがいいだろうという思いからである。その後は生産管理、経営戦略、マーケティング、海外戦略論という展開も一般的に企業人として順番に経験する段階を踏まえた書き方である。学習者には将来の仕事やその時々のポジションに関係なく、企業や経済の世界ではどのような分野があり、またそれらの実態や特徴を理解するのに一助になれれば幸甚である。
このテキストは2016年度中国広東省高等教育教学研究改革プロジェクト「外国語専攻の教育実践の構築――日本語を例として」(106-XCQ16269)の研究改革成果の一部である。
最後に、編集の過程において有益な助言・ご尽力をいただいた北京大学出版社の蘭婷様に心から感謝する。
本书针对日语专业学习者,作为专业扩展课程使用。本书按课程设计分为八章内容,分别为:企业与公司、人事管理和劳务管理、经营组织、生产管理、市场营销、国际经营,以及经营理念和企业文化。每章都提出了学习目标和学习问题,并以问答的形式简单明了的向大家介绍经营学的基本理论和日本企业的实例。
广东外语外贸大学东方语言文化学院日语系副教授,硕士研究生导师。广东外语外贸大学国际服务外包人才培训基地专门用途外语师资团队成员。2002年回国在广东外语外贸大学东方语言文化学院日语系任教。期间历任经贸教研室主任、日语系副主任、研究生办公室主任。主讲课程:日语口语,日本经济,商务日语,日本企业经营管理概论。
本教材共八章内容。每章都提出了学习目标和学习问题,并以问答的形式简单明了的向大家介绍经营学的基本理论和日本企业的实例。另外,课本先介绍企业形态和人事劳务论,是觉得先解决大家在日企工作中首先面临的组织、人事制度和待遇等问题比较好。后来又按照一般工作者在日企中将经历的学习阶段,分别介绍了企业的生产管理、经营战略、市场营销、海外战略论等。
多年以来,国内很多大学的日语系都设有对日经济贸易(包括商务、商业)等课程,其课程内容和教科书内容讲的都是贸易谈判、贸易业务以及相关专业术语等。但是,对于学习该专业的学生来说,学习这些知识虽然能快速提高这方面的翻译能力,但是还不足以应对现实中的商业洽谈以及商业综合解决方案等问题。现在世界上三分之二的贸易形式都是跨国贸易,也就是说以商品零部件交易为中心。因此,若不了解国际商品的供应链和价值链的结构与形势、竞争企业的组织形态与决议机制或者不清楚该行业动向的话,将很难与世界其他企业进行沟通和洽谈。所以,对于毕业后就真正进入商业战场的学生来说,学习综合的经营学基础、企业经营理论以及日本企业的特殊性等知识变得越来越重要。